トランシルバニアの ヴラド・ツェペシュ、 またのなを、ドラキュラといった。 さつりくをよろこびとし、はかいのかぎりを つくすことに あきたらなくなったかれは、 はるかなる太古に失われし魔法をふっかつ させ、暗黒邪神をこの世によびさました。 狂王は邪神の力をかりて、いまわしき魔物を つぎつぎと世へおくりだし、ワラキア全土を 暗黒と、さつりくの地へと かえていった。 |
そして自らの野望に狂った王は、ついには その魔の手をヨーロッパ全土にひろげようと はかったのであった。 この地をけがし、血でそめようと… |
このことをおもくみた正教会は、ただちに 手をうって、ぐんたいをおくりこんだ。 また、かの地でも、ドラキュラにたいして たたかいをいどもうとする者たちがあった。 だが、しかし、だれひとりとして いきてもどってきた者は いなかった… |
なすすべのなくなった正教会は、ついに、 真正ヴァンパイア・ハンターとよばれる ベルモンド家に、ドラキュラ討伐を ゆだねることを けついした。 ベルモンド家とは、 太古にまでさかのぼる ふるい血すじをもち、 いまわしき者たちとの たたかいのなかで いきのびてきたという いちぞくであった。 |
しかし、そのあまりにも人間ばなれした 能力のために、人々からは おそれられ、 うとんじられてきた。 そのため、いつしか 人々のまえからすがたをけし、ひさしい間 かれらをみた者は いなかった… 教皇はあらゆる手をつくし ついに、ベルモンドの 血をうけついだ人間に めぐりあうことができた。 その若者のなは、ラルフ・ ベルモンド であった。 |
シモン・ベルモンドの じだいを さかのぼること 100余年、 ドラキュラと 人間の たたかいが、 いまここに はじまろうとしている… |